オフィスのパーテーション工事を検討する際、多くの担当者が気になるのが「実際にどれくらいの日数がかかるのか」「どのような手順で進むのか」という点ではないでしょうか。工期の読み違いは業務への影響や追加費用にも直結します。本記事では、工事の流れと工期の目安を工程別・規模別に詳しく解説し、スムーズな計画立案に役立つ情報をお伝えします。
オフィスパーテーション工事の流れと工期の目安【結論】

パーテーション工事の工期は施工規模や種類によって大きく異なりますが、結論から言えば小規模なら1日、大規模になると2週間程度を見込んでおくと安心です。工事は事前調査から引き渡しまで大きく6つのステップで進みます。まずは全体像を押さえておきましょう。
パーテーション工事の標準工期は施工規模により1日~2週間
パーテーション工事の工期は、間仕切り数枚程度の小規模施工であれば半日から1日、フロア全体を区切る大規模施工では1週間から2週間ほどが目安です。ローパーテーションのような簡易施工と、ハイパーテーションやガラス間仕切りのような造作を伴う工事では、必要な日数が変わってきます。
施工面積だけでなく、既存設備の撤去有無や電気・空調工事の併用有無によっても工期は前後します。見積もり段階でこれらの条件を業者と共有し、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
工事の流れは事前調査から引き渡しまで6つのステップ
パーテーション工事は、①現地調査・ヒアリング②プラン提案・見積もり③契約・日程確定④ビル管理会社への申請⑤資材発注・搬入⑥施工・完了検査・引き渡し、という流れで進むのが一般的です。
この6ステップを把握しておくと、社内での稟議申請やビル管理会社とのやり取りのタイミングも逆算しやすくなります。特に申請手続きは工期に直結するため、後述する章で詳しく確認しておきましょう。
パーテーション工事で流れと工期の把握が重要な理由

工事の流れと工期を事前に把握しておくべき理由は、単に「予定通り終わらせたい」というだけではありません。オフィス運営や予算管理、他業種との連携など複数の観点から重要性が生じます。以下の4つの視点から整理していきます。
オフィス稼働への影響を最小限に抑えるため
パーテーション工事中は、施工エリア周辺で騒音や粉塵、什器の移動が発生するため、通常業務に支障が出やすくなります。工期を正確に把握していれば、繁忙期を避けたスケジュール調整や、該当部署への事前周知がしやすくなります。
逆に工期の見通しが甘いと、会議室が使えない期間が延びたり、来客対応に支障が出たりするケースもあります。業務への影響を最小化するには、工期の目安を早い段階で社内共有しておくことが欠かせません。
予算超過や追加費用の発生を防ぐため
工期が延びると、施工業者への追加人件費や仮設養生の延長費用など、当初見積もりにない出費が発生することがあります。特に夜間・休日работの割増料金が絡む案件では、日数超過がそのままコスト増につながりやすい構造です。
工事の流れを工程ごとに理解し、どの段階で遅延リスクがあるかを把握しておくことで、予備費の設定や契約条件の調整がしやすくなります。
他工事(電気・空調)との調整が必要なため
パーテーション工事は単独で完結することは少なく、電気配線の移設やLAN工事、空調吹き出し口の調整など、他業種の工事と並行して進むケースが多くあります。工程の順序を誤ると、パーテーション設置後に配線工事のやり直しが必要になるといった手戻りも起こりえます。
事前に各業者の作業日程をすり合わせ、施工順序を明確にしておくことで、無駄な待ち時間や二重手間を防げます。
ビル管理会社への申請期限があるため
テナントビルでは、工事着工前にビル管理会社への申請と承認取得が必須となっているケースがほとんどです。申請から承認まで1週間から2週間程度かかることも珍しくなく、この期間を工期に含め忘れると全体のスケジュールが後ろ倒しになります。
特に防災設備や共用部に関わる工事は審査が厳格になる傾向があるため、早めの申請準備を心がけましょう。
パーテーション工事の流れ【工程別詳細】

ここでは、先ほど紹介した6ステップをさらに細分化し、8つの工程に分けて具体的な作業内容を解説します。それぞれの工程でどのくらいの期間を要するのか、実務目線で見ていきましょう。
現地調査・ヒアリング
工事のスタート地点となるのが現地調査とヒアリングです。担当者が実際のオフィスに足を運び、間取りや天井高、既存の電気・空調設備の位置を確認しながら、レイアウトの希望や利用目的を丁寧に聞き取ります。
この段階での情報精度が、後の工期に大きく影響します。採寸漏れや設備確認の不足があると、施工段階で図面変更が必要になり、結果的に工期が延びる原因となるため、半日から1日ほどかけてじっくり行うのが一般的です。
プラン提案・お見積り
現地調査の内容をもとに、施工業者がパーテーションの配置プランと見積書を作成します。標準品を使う場合は3営業日から1週間程度、特注品や造作を伴う場合は2週間ほどかかることもあります。
この段階で複数案を比較検討できるよう、予算感や優先したい機能(防音性、採光性など)を伝えておくと、提案内容の精度が上がりやすくなります。
契約・工事日程の確定
プラン内容と見積もりに合意ができたら契約を締結し、具体的な工事日程を確定させます。この段階で施工日だけでなく、資材搬入日や社内の立ち会い日程もあわせて調整しておくとスムーズです。
契約書には工期や追加費用の条件も明記されるため、認識のズレがないよう細部まで確認しておくことをおすすめします。
ビル管理会社への申請・許可取得
契約後、速やかにビル管理会社へ工事申請を行います。申請には図面や工事概要書、施工業者の保険加入証明などが求められることが多く、審査には数日から2週間程度かかります。
この申請期間は工期全体の中でも見落とされがちな部分です。契約と同時進行で書類準備を進めることで、着工までの空白期間を短縮できます。
資材発注・搬入準備
許可取得後、パーテーションのパネルや枠材、金物類の発注を行います。標準サイズの在庫品であれば数日で手配できますが、特注色やガラス素材を使う場合は輸入や特注加工のため2週間から1ヶ月ほど要することもあります。
搬入経路がエレベーター利用のみの場合は、搬入時間帯の制限も確認し、当日の作業効率に影響が出ないよう準備しておきましょう。
施工・組立作業
いよいよパーテーションの組立・設置作業です。床レールの固定、パネルの取り付け、建具の調整といった工程を順に進めます。ローパーテーションであれば半日程度、ハイパーテーションや造作を伴う場合は数日かかります。
作業中は騒音や振動が発生するため、周辺エリアへの事前案内と、必要に応じた養生シートの設置も忘れずに行いましょう。
完了検査・清掃
施工完了後は、パネルの傾きや建具の開閉具合、防火区画の適合状況などを確認する完了検査を実施します。検査で不具合が見つかった場合は、その場で微調整を行うため半日ほど時間を見ておくと安心です。
検査完了後は施工エリアの清掃を行い、資材の梱包材や端材を撤去して現場を整えます。
引き渡し
最終工程として、施工業者から発注者への引き渡しが行われます。仕上がりの確認とあわせて、施工図面や保証書、メンテナンス方法の説明を受けるのが一般的な流れです。
この場で気になる点があれば遠慮なく質問し、不具合があれば引き渡し前に修正依頼をしておくと、後々のトラブルを防げます。
パーテーション種類別の工期比較

パーテーションには複数の種類があり、構造や施工方法の違いによって工期も変わります。ここでは代表的な4種類について、それぞれの特徴と工期の目安を比較していきます。
ローパーテーション(低層)の工期
ローパーテーションは床から1メートル前後の高さで空間を緩やかに区切る製品です。工事自体もパネルを立てて固定するだけのシンプルな作業が多く、小規模なオフィスであれば半日から1日程度で完了します。
電気配線や造作を伴わないため、他業種との調整がほとんど不要な点も工期短縮に寄与しています。会議スペースや簡易的な執務エリアの区切りに向いています。
ハイパーテーション(高層・間仕切り)の工期
ハイパーテーションは天井まで届く高さで空間をしっかり仕切るタイプです。床から天井までの固定作業に加え、防音材の充填や配線の埋め込みが必要になることも多く、工期は3日から1週間程度が目安になります。
個室の会議室や役員室など、遮音性・独立性を求められる空間でよく採用されますが、その分施工の丁寧さが求められ、日数もローパーテーションより長くなる傾向があります。
ガラスパーテーションの工期
ガラスパーテーションは採光性を確保しながら空間を仕切れる点が魅力ですが、ガラス材の発注から取り付けまでに時間がかかりやすい種類でもあります。標準サイズの強化ガラスでも1週間から2週間、特注サイズや曲面加工が入ると1ヶ月近くかかるケースもあります。
割れやすい素材のため搬入・設置時の養生にも時間を要し、他のパーテーションに比べて全体的に工期が長めになる点を考慮しておきましょう。
可動式パーテーションの工期
可動式パーテーションはレールに沿ってパネルを移動させ、必要に応じて空間を仕切ったり開放したりできる製品です。レールの水平調整や天井への固定が必要なため、施工には精密さが求められ、工期は3日から1週間程度かかることが多くなります。
イベントスペースや多目的ホールなど、フレキシブルな空間活用を目的とする場所で重宝されています。
オフィス規模別の工期シミュレーション

同じ種類のパーテーションでも、施工するオフィスの面積によって必要な工期は変わってきます。ここでは小規模・中規模・大規模の3パターンに分けて、具体的な工期の目安をシミュレーションします。
小規模オフィス(~50㎡)の工期目安
50平方メートル以下の小規模オフィスであれば、ローパーテーションの設置なら半日から1日、ハイパーテーションでも2日から3日程度が目安です。施工範囲が限られているため、他業種との調整も比較的少なく、全体の日程を組みやすいのが特徴です。
スタートアップの新規オフィス開設や、既存スペースの一部改装など、短期間で完了させたい案件に向いています。
中規模オフィス(50~200㎡)の工期目安
50平方メートルから200平方メートル程度のオフィスでは、複数の会議室や執務エリアを同時に区切ることが多くなり、工期は3日から1週間ほどが目安になります。電気・空調工事との併用が発生しやすい規模でもあるため、他業種の日程調整も工期に影響してきます。
この規模になると、部分的な段階施工を取り入れて業務への影響を分散させるケースも増えてきます。
大規模オフィス(200㎡~)の工期目安
200平方メートルを超える大規模オフィスでは、フロア全体のレイアウト変更を伴うことが多く、工期は1週間から2週間、場合によっては1ヶ月近くかかることもあります。資材の搬入回数も増えるため、エレベーター使用の調整やビル管理会社との事前打ち合わせがより重要になります。
大規模案件ではエリアごとに段階的な施工を行い、業務を止めずに進める方法が一般的です。
パーテーション工事の工期が延びる原因と対策

工期が予定より延びてしまう背景には、いくつかの共通した原因があります。ここでは代表的な4つの要因を取り上げ、それぞれの対策とあわせて解説します。
ビル管理規約による夜間・休日工事の制約
テナントビルの多くは、騒音や振動を伴う工事を平日日中に制限しており、夜間や休日の作業には別途申請と割増料金が発生します。この制約を見落とすと、想定していた作業時間が確保できず、工期が数日単位で延びることがあります。
対策としては、契約前にビル管理規約を確認し、作業可能な時間帯を業者と共有しておくことが有効です。
電気・LAN配線工事との調整不足
パーテーション設置後に配線工事を行おうとすると、パネルを一部取り外す手戻りが発生することがあります。逆に配線工事が遅れると、パーテーション設置自体が待機状態になるケースもあります。
事前に各業者間で施工順序を共有し、電気工事とパーテーション工事のタイミングを合わせておくことで、無駄な待ち時間を防げます。
資材の特注・輸入による納期遅延
特殊カラーのパネルや輸入ガラス材を使用する場合、通常の在庫品に比べて発注から納品までの期間が大幅に伸びることがあります。海外製造品では、通関手続きの遅れが追加で発生することも珍しくありません。
工期を優先したい場合は、標準品の中から近い仕様のものを選ぶという選択肢も検討してみてください。
現地調査不足による追加工事の発生
現地調査の段階で床の不陸(凹凸)や天井裏の配管位置を見落とすと、施工中に想定外の補修作業が必要になることがあります。こうした追加工事は、工期を数日単位で押し戻す要因になりがちです。
調査時には図面上の情報だけに頼らず、実測と目視確認を徹底することが、後工程での手戻りを防ぐ鍵になります。
パーテーション工事の工期を短縮する3つのポイント

工期を少しでも短くしたいと考える担当者は多いはずです。ここでは、実務でよく効果を発揮する3つの短縮ポイントを紹介します。いずれも計画段階での工夫が中心となります。
早期の現地調査と正確な図面作成
工期短縮の第一歩は、初期段階での現地調査を精度高く行うことです。採寸や設備確認を丁寧に済ませておけば、施工段階での図面変更や手戻りを減らせます。
図面作成時には天井裏の配管・配線位置まで反映させておくと、施工中の予期せぬ中断を避けやすくなります。
標準品パーテーションの採用
特注品ではなく、メーカーの標準規格品を選ぶことで、発注から納品までの期間を大幅に短縮できます。標準品は在庫を持つメーカーも多く、資材待ちによる工期の遅れが起きにくいというメリットがあります。
デザイン性を多少調整してでも標準品を活用することは、工期短縮とコスト抑制の両面で有効な選択肢です。
施工業者との密な進行管理
工事期間中、施工業者と発注者の間で進捗確認をこまめに行うことも工期短縮につながります。週次や日次での簡単な報告体制を設けておくと、問題が起きた際にも早期発見・早期対応がしやすくなります。
進行管理表を共有し、誰がいつ何を確認するのかを明確にしておくと、コミュニケーション不足による遅延を防げます。
パーテーション工事中の業務継続方法

工事期間中もオフィス業務を止められないという企業は少なくありません。ここでは、業務継続を実現するための3つの工夫を紹介します。工期の把握とあわせて検討してみてください。
夜間・休日工事による営業時間内の影響回避
騒音を伴う作業を夜間や休日にまとめて行うことで、平日日中の業務への影響を最小限に抑えられます。ただし前述の通り、割増料金やビル管理会社への追加申請が必要になる点は考慮しておく必要があります。
業務時間内の静粛性を優先したい部署がある場合には、有効な選択肢の一つといえます。
エリア分割による段階的施工
フロア全体を一度に施工するのではなく、エリアごとに区切って順番に工事を進める方法です。一部の座席は稼働させたまま、別のエリアで施工を行うことで、全社的な業務停止を避けられます。
段階施工は全体の工期がやや長くなる傾向がありますが、業務への影響を分散できる点が大きなメリットです。
仮設スペースの確保・レイアウト調整
工事対象エリアの社員を一時的に別フロアや空きスペースへ移動させ、仮設の執務環境を用意する方法もよく採られます。仮設デスクや簡易間仕切りを活用することで、工事中も最低限の業務継続が可能になります。
事前に移動対象者へのアナウンスと座席割り当てを済ませておくと、当日の混乱を防げます。
まとめ

オフィスパーテーション工事の流れと工期は、施工規模や種類、ビル管理会社への申請状況によって大きく変わります。現地調査から引き渡しまでの6つのステップを理解し、他業種との調整や申請期限を早めに押さえておくことが、スムーズな工事進行につながります。工期の見通しを立てる際は、種類別・規模別の目安を参考にしながら、業務継続の工夫もあわせて検討してみてください。
工事の流れと工期についてよくある質問

-
パーテーション工事の工期はどのくらい前から確認しておくべきですか
- 着工希望日の1ヶ月から2ヶ月前には現地調査を依頼し、ビル管理会社への申請期間も含めて逆算しておくことをおすすめします。特注資材を使う場合はさらに余裕を持った確認が必要です。
-
工事期間中、オフィスを完全に空ける必要はありますか
- 必ずしも全体を空ける必要はありません。エリア分割による段階施工や夜間・休日工事を組み合わせることで、業務を継続しながら工事を進めることも可能です。
-
見積もりと実際の工期にずれが生じることはありますか
- あります。現地調査時に把握できなかった床の不陸や配管位置の問題、資材の納期遅延などが原因で、当初の見積もりより工期が延びるケースがあります。
-
ビル管理会社への申請はどのタイミングで行うべきですか
- 契約締結後、できるだけ早い段階で申請書類の準備を進めるのが望ましいです。申請から承認まで数日から2週間ほどかかることもあるため、着工日から逆算して手続きを開始してください。
-
工期を短縮するために発注者側でできることはありますか
- 現地調査への協力や、標準品パーテーションの採用検討、社内の意思決定を早めることが挙げられます。施工業者との情報共有をこまめに行うことも、工期短縮に寄与します。



